一般社団法人 日本腎不全看護学会の「法人化Q&A」
一般社団法人 日本腎不全看護学会理事会では、かねてより法人化移行についての議論を重ねてまいりましたが、昨年定時総会におきまして、2015年度に一般社団法人となるための準備を開始することが承認されました。
第5期理事会では、役員会が中心となり2015年9月の設立登記を目指し、司法書士・税理士等の専門家を交え、法人設立に必要な手続きを進めているところです。
今後のスケジュールや定款(案)等の提示を含め、会員の皆様の法人化についての疑問にお答えするべく、この度学会ホームページにおいて「法人化Q&A」を開設いたしました。
<法人化について>
なぜ法人化するのですか?(法人化のメリット)
法人化の目的は3つあります。①社会的信用を高める。法に定められた法人として運営することにより、組織の基礎がしっかりするため、任意団体と比べて社会的信用が増します。このことは、学会として様々な事業を行っていく上で重要です。②学会名で法律行為(契約、雇用、売買、貸借)が行えるようにする。任意団体では銀行口座の開設など対外的な契約を理事長個人名で行わなければなりません。法人化すれば、責任が理事長個人から理事に分散し、学会が行う行為や構成員の責任・義務が法的に明確な状態で運営されることになります。③透明性の高い会計処理を行う。公益法人会計基準に従って会計処理を行うことで税務リスクを回避します。
こうした法人化のメリット、学会の社会的地位の確立、学会活動の展開・普及、財政基盤の安定などは、学会活動が将来に向けて恒常的に継続するための基盤となるものです。
法人化のデメリットは?
デメリットは2つあります。①法律の規制が多くなる。理事選挙、総会における議決の条件など、これまでの学会運営の方法を引き継げなくなります。②運営に費用がかかる。事務処理が少々煩雑になるため事務委託費用が増します。また、税申告の依頼などで税理士費用も必要になります。これ等のデメリットに関しては、専門家の意見を交え理事会にて十分に議論を重ね、学会運営や費用における負担をできる限り減少する努力をするつもりです。
なぜ「一般社団法人」を選んだのですか?
学会が取り得る法人形態には、NPO法人、公益社団法人、一般社団法人などがあります。NPO法人はボランティア団体向けの制度であるため、毎事業年度に所轄庁へ事業報告が必要であるなど学会に適さない制約があります。公益社団法人は何もない状態から設立できず、一般社団法人を設立してから行政庁の認定を受けて移行する必要があるため、法人化の選択肢には入りません。一般社団法人は簡単な手続きで設立でき、行政の監督も受けないので、学会のような形態に向く制度として広く利用され始めています。そこで、本学会も一般社団法人を目指すことにしました。
どのような方針で法人化の準備を進めていますか?
次の二つの方針で進めています。①定款や諸規則、組織、運営方法、会計などを関連法令等にあわせて見直しますが、新法人への移行をスムーズに行うため、現行の定款や組織・運営方法などを可能な限り踏襲します。②会員から選ばれた代議員を社員とする代議員制を導入しますが、あわせて会員の権利確保についても十分配慮致します。
代議員制とはなんですか?
一般社団法人の総会では"社員"が議決権を有し、社員総会が社団法人の最高意思決定機関となります。現行の任意団体の会則では「総会は、正会員の10分の1以上の出席がなければ議事を開き議決することができない」とされていますが、一般社団法人の総会では「全社員の1/2が出席し、出席社員の過半数をもって決する」ことになり、総会の成立条件が厳しくなっています。このため全ての正会員を社員とすることは事実上困難と言わざるを得ません。そこで会員数の多い学会では代議員制をという方法をとります。正会員からの選挙によって選出された代議員を社員として「社員総会」を開催し、学会運営に関わる決議に加わっていただくということです。本学会では、評議員を代議員、すなわち法律上の社員とすることにします。
また従来、年次学術集会において開催されていた通常総会は「会員報告会」とし、会員の皆様へは「社員総会」で決議された内容をでき得る限り、間をおかずにご報告いたします。もちろん会員の皆様は、社員総会決議の内容について自由に質問をしたり、意見を述べることができます。理事会・社員総会ではこうした皆さまのご意見を反映した審議を行います。
理事や評議員の任期はどうなりますか?
理事の任期は一般法人法によって2年となります。評議員は財団法人と異なり法的な規定はありません。従来の任意団体の「会則」では、理事・評議員共に「再選を妨げない」とありましたが、法人化後は、理事任期は2年、2期を限度として再任できるものとします。評議員の任期は4年とし、やはり2期を限度として再任できるとします。
学会を運営する組織体制はどのように変わりますか?
理事会設置の一般社団法人という機関設計ですが、実際の学会運営に関しては大きな変更ありません。従来通り理事と監事は代議員(評議員)によって選任された者が任命されます。理事長も理事の中からの互選になります。ただし総会に関しては、一般法人法に則りA5で述べたように会員から選挙で選任された代議員(評議員=社員)で構成される決議機関に代わります。
何故会計(事業)年度を変更するのですか?
現在の会計年度(4月1日~3月末)については、従来より決算報告・事業報告の承 認が11月(定時総会時)と遅すぎることが指摘されていました。法人化した場合には税 務申告が必要となり、税務申告は原則として会計(事業)年度終了後2カ月以内、定款で 定めている場合は3カ月以内に行わなければなりません。税務申告には社員総会による決 算報告の承認が必要です。法的には、代議員(評議員)による社員総会での承認で問題は ありませんが、本学会は会員の皆様が学会の主旨・目的に賛同し設立された「目的を持つ人の集まり」です。会員の皆様への学会運営の透明性を担保するためにはA5で述べたよ うに「社員総会」で決議された内容をでき得る限り、間をおかずに会員の皆様へご報 告するために11月の学術集会に合わせた会計(事業)年度が望ましいと判断しました。
今後のスケジュールは以下のように予定しています。
定款(案)は現在作成中のため、改めてホームページ上に公開いたします。
法人化移行スケジュール
年・月 | 事項 |
2014年4月 | 法人化移行についての具体的検討 |
2014年11月 (定時総会) |
2015年度法人化移行の承認、設立時社員および理事、監事の決定、定款作成等、一般社団法人に必要な手続きについての理事会一任の承認 |
2014年12月 | HP上での法人化準備、定時総会における承認事項のお知らせ 司法書士との相談 |
2015年2月 | 理事会開催:司法書士の選任・代議員制導入・役員任期・会計年度の変更決議 司法書士・税理士打ち合わせ:司法書士契約・定款(案)作成検討・ 会計(事業)年度変更に伴う事務処理、税務処理について検討 |
2015年3月 | 会員へ法人化に伴う会費納入の変更のお知らせ |
2015年4月 | 会員へ定款(案)提示、意見募集 |
2015年5月 | 理事会開催:定款(案)審議、現理事の設立理事への移行手続き、選挙について |
2015年8月 | 公証役場で定款認証手続き |
2015年9月 | 法務局にて設立登記手続き「一般社団法人一般社団法人 日本腎不全看護学会」設立 第1回「一般社団法人一般社団法人 日本腎不全看護学会」設立理事会 |
2015年11月 | 第1回「一般社団法人一般社団法人 日本腎不全看護学会」設立社員総会開催 会員報告会(会員総会) |